nemo創作インタビュウ その4

前回までのインタビュウその3

kendo

「得体の知れないものの得体を知りたい」(青山)


 青山さんは、他のメンバーにどんなことを期待していますか?

青山:3人は、俺より断然、表現できる人たちだと思っていて、だから興味はある。言葉にならないものは言葉にしないで、ちゃんと舞台に出られる。そういう人たちはなかなかいない。彼らを見て感想を言おうとしても、「おー」とか、「うわー」とか理路整然とした言葉が浮かばなくなってしまうんです。
そんな彼ら、特に宝子が自ら主体になって何かをやろうって時に、その秘密がわかるんじゃないかという興味がありますね。
たとえば、地震が来たら、地面が揺れてる感じに「うわー」ってなるじゃないですか。災害として恐怖じゃなくて「エネルギー」の凄まじさというか。で、地震にはプレートの関係によるとか理屈があるわけで、それを知ってみたいということに似ているかもしれない。得体のしれないものの「得体」を知りたいと思う。知ったからどうなるわけでもないですけど。そこで起きていることを知りたいという。
ただ、それはまた言葉にならないのかもしれないけれど(笑)。

「今生きている感覚を、カタチにする」(東洋)


 東洋さんがやってみたいことはなんでしょうか

東洋:身体が感じていることを意識化して、まず4人と、そして何よりお客さんと共有したいと考えています。
nemoってすごく「今」に対して取り組んでいる気がしているんです。
「今生きている感覚」、って妖怪に似ているなと思っていて、誰かが描かないと見えてこないことを可視化するために、名前を付けたり絵にしたりして受け継がれてきたんだと思います。
nemoにおいては「今生きている感覚」をどうカタチにできるかだと思います。実際は個人的なものでもあって。4人いる中で、どう舞台でアウトプットをするかに対して、向きあっている状態です。
ひとつ見えているのはそれぞれこだわっている面がバラバラで、例えばアオケンは筋にこだわっていて、宝子は主題を提示していて、といった具合にわかれているのかな、とも思っています。

「スピードが違うままでもたどり着くはず」(青山)


― どんな風に作品を作っていくことになりますか。

青山:舞台って初日が来たら、完成にならざるを得ないじゃないですか。でも今回はあえて落としどころを見つけたり、上手に着地したり、しないような作品にしたいと思っています。
無責任な意味じゃなく、「色んな見え方をする作品」になればいい。当たり前の事ともいえますが。
これはクリエーションにおいて、いつも戦っていることですし、今回の4人であればなおさらだとそう思います。

― 宝子さんが4人を集めた理由からも、そのように感じますね。

青山:この4人は、表現方法や人間性、性格の面いろんな点で「スピード」が違うんです。もちろん同じ作品を作るという点では、同じ道を同じ方向へ走っているんですけど。
集団でクリエーションする場合、例えば速い人が速度を落として並走したり、全体を調節する役割を入れたりしますよね。他ジャンルの人と何かするときにはよくありますし、うまいことアンサンブルを作れると心地よかったりして。
でも、この4人でバチバチやるのであれば、極端言えば「俺終わったから帰るわ」なんてことがあっていい(笑)。けれどちゃんと同じ目的地に向いているというか、変に並走するとか速度を落とすとか無く、それこそ本番時間の中で、4人がそれぞれ自分の速度で走って、たどり着くようにしたい。

宝子:私は4人を集めて1つの舞台をやりたいと思った時のイメージっていうのがあって。
アオケンは展示を作るかのように、省念は一つのライブを作るように、踊る私たち(宝子東洋)は、ソロでそれぞれ踊りを作るように、それぞれが違うやり方で舞台を考えてもらって、それらをあわせて構築して作るという。

― あえて聞きますが、違うものをなぜ同じの舞台でやらなければいけないのでしょうか。

青山:みんな勝手にやってて最高だなってことありますよね。たとえば幼稚園とか(笑)
逆に、耳障りの言いキャッチーなわかりやすいメロディを用いることが、音楽としての需要を満たしているという風潮があります。整っていたり親切だったりがやたら優先されているというか。
俺はそれなんか気持ちが悪いというか違和感があるんです。

― なるほど。何かの違和感みたいなものは、世間の人たちも心の底で感じていることかもしれないですね。

青山:今回、プロット的なものを作ったのは、もしかしたら今回の趣旨から外れているかもしれないのですが、現段階での俺の理想は「みんな勝手にやってて最高」、もちろん表現として成り立っているという前提だけど、そう見える状況が生まれたら最高かなあ。

【続きます】

⇒nemo創作インタビュウその5

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