nemo創作インタビュウ その1

長谷川宝子、松原東洋、青山健一、吉田省念の4人のユニットであるということ以外、ベールにつつまれているnemo。
そこで、あらためて当人たちに、成り立ちなどまさに0(ゼロ)から話をきき、まだ言葉になっていないnemoとその周辺を見える形にしていきたいと思います。

作品創りのかなり手前からの話から始まっていますが、表現をする人の初期衝動や、率直な気持ちなどを含め、文中から感じ取っていただければ幸いです。

インタビューは、茨城県取手にある高須ハウスで滞在稽古中におこないました。
(音楽/吉田省念さんは京都での仕事のため不在です)
【インタビュアー柏木俊彦、編集補kessya】

 

従来と異なる作品創りを選ぶことになった経緯


— よろしくお願いします。早速ですが、nemoは劇団と言ってよいのでしょうか?団体の成り立ちを教えて下さい。

長谷川宝子(以下、宝子):劇やお芝居が出来る訳ではないので、劇団ではなくユニットです。ストーリーを重視するような作り方ではなく……。
でも、今回はストーリーはあるんですけど、ストーリーを分かりやすく説明できるような作り方ではないので、パフォーマンスユニットというのが、一番近いかもしれない。身体の表現だけではなくて、映像と音も同等に、ダンサーと同じ存在するような舞台を作りたいなあと思っています。

— メンバーは、宝子さんが声をかけたのでしょうか?

宝子:そうです。

— なぜ、このメンバーを選んだのでしょうか?

宝子:すごくみんな親しい昔からの仲間で、みんな私より年上で活動歴が長いんですけど、一巡りして見たときに、最近それぞれ違うフィールドで活躍していて、すごい強い力を感じていて、それを引き合わせて見たいなということから3人を誘いました。昔からの仲間だったんですが、4人で作品をがっつり作るということはなかったので、誘ってみました。

— 稽古をしてみて、想定内とか、思っていた事と違った事などありますか?

宝子:意外と共通言語が無いなと。思っていたより、スムーズにはいかない。やっぱり、ぞれぞれのフィールドで創っているので。私は、本当にわからない事が多いので、強力な統率力が私には無いので、そこをどう繋げるかに、思ったより苦労しています。

— 宝子さんがメインで作品を作っているのですか?

宝子:もともと誰が主導して作品も創ってもよいと思っていて、この4人を集めたんですが、今回は、私が主題となるイメージを作り提示して、それをみんなで捏ねていこうと。

— 今まで、宝子さんは、自分が主導で作品を創ったことはありますか?

宝子:アイディアを持ち込むということはありあます。

— では、自分の言葉を伝えることやイメージを他者に伝えることは得意ですか?

宝子:難しいです。言葉にするのは難しいです……。

— 周りのメンバーは、それを拾ってくれる方々ですか?なに言ってんだ?という方々ですか?

宝子:どっちもです(笑)。みんな正直に、うんうんと、分かることは分かると言うし、なに言ってんだ?という時は、なに言ってんだ?という反応も。どっちもあります(笑)

— 松原東洋さんには、どういうどんな反応をするのでしょうか?

松原東洋(以下、東洋):僕と宝子の2人だと縺(もつ)れますね(笑)

— 周りの人達がいることによって助かるとか?

東洋:いや、もう完全にそうですね。

 

 

宝子が産み出す世界を、
それぞれの手法で補完するという
新しい関係性・新しい創り方


— このメンバーの中で、誰が宝子さんのイメージの翻訳者というか言語化しようとするか、補完してくれる存在でしょうか?

東洋:みんな、補完しているんだと思います。そういう意味では、メンバーみんなで補完しあっているんですが、空間というか作品化していく時に、その手法とかギミックとか、みんなバラバラなので……。僕が踊り手同士として助けることが可能だと思っていたんですが、僕と宝子の違いがあって、いつになく如実なるというか、そういう局面がほとんどですね。宝子のイメージは、みんなそれぞれ理解していると思うんですが、読み解いた時に、僕が翻訳した途端、僕の言語になってしまっていて、宝子の元ネタからずれていってしまって、結局、僕は翻訳者になれなかった。

— やってみて気づいたことですか?

東洋:そうですね。宝子とは、今までは、僕がリードする局面が多かったので、僕が言うことを理解できなくても持ち帰って自分なりに噛み砕いていた事で済んでいたんです。もうちょっとイーブンに宝子のイメージを大事にした時に、混乱が生じたということがあって。やってみて気付きました。

— それは、刺激的で、いいイメージで捉えて良いのかしら?

東洋:いい風(ふう)に捉えられるチャンスだなと。洒落にならない時間もたくさんあるんですけど(笑)、作品に向かっているという意味ではポジティブに捉えています。

— 今までの宝子さんとの関係性とは違う、新しい関係性が見えはじめていると?

東洋:本当にそうですね。

― 創作の手順はどうなっていますか?

宝子:今、やってる形は、まず私がテーマを出して、題材を出して、6シーンの舞台イメージを作ったんですよね。で、それを、実際どう形にするのかというところで4人で集まって、4人で一斉に即興でやってみました。そこから、映像のアオケンと話して、シーンを元にストーリーをとして軸を立てて、それぞれシーンの構造に、どんな踊りを作るのか?どんな映像や音を作るのか?と、分けて取り組んでいくという形です。

― 話を聞いていると、団体のはじまりだからか?創り方自体をつくっていくという印象を持ちました。刺激的で面白そうだなと感じます。しかし、インタビューのはじめに、ストーリーを重視しないと言っていましたが、なぜ、創作の過程で、ストーリーやドラマを紡ごうと思ったのか?

宝子:アオケンがストーリーを持つという人で。私は、ぶっちゃけ、ストーリーというものは、無くても良いくらいは思っているんですけど、ただお客さんに見せる軸というのは必要かなと。どう見せるかという枠組みというか。そういう意味で、アオケンと話をして、ストーリーを軸として立てて創って行こうとしています。

― それは、みんなの了解事項として?

宝子:そうですね。

【続きます】

⇒インタビュウその2

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